Coroblog

ひとり企業の経営と借金、細手首に合う時計など

鈴木砂羽騒動に見る労使問題

騒ぐだけ騒いで収束?

舞台を2日前に降板した2女優の事務所が収束宣言をしたみたいですね。

世論が味方してくれると踏んで騒動を起こしてみたけれど、意外にも世間は鈴木側に味方してしまい収束せざるを得なかったというところでしょうか。

鈴木氏も激しい性格のようなので敵も多いのかもしれないけど演劇界という特殊な世界ですからそこには罵倒も当然あるでしょう。一般企業であればパワハラでアウトなんでしょうけど。

いずれにせよ、いろんな方々が言っているように「公演2日前に降板するなんてプロとして失格だ!」というのは僕も同意するところです。僕も超超零細企業ながら人を雇う立場としてこの問題に現代の労使関係を見たんでよね。

 

公演中止なら大損害だったはず

劇団側は経営者で演者は労働者になると思うのですが、今回の2日前降板というのは明らかに公演をさせないようにするための悪意を感じるんですよね。運よく代役が間に合ったから良かったものの、もし中止になったら経営者側は大損害だったはずです。こんな場合少なくとも演者側は稽古までの賃金は払われるはずです。もしかしたら公演した場合のギャラも支払われたのではないでしょうか。でも劇団側は支払うばかりで何の保証もない。場合によっては経営者は負債だけが残って劇団は潰れていたかもしれません。

 

現代は雇い主のほうが弱者

昔は労働者が弱者で経営者は強者という見方だったと思うけど、今回の騒動を見ても分かるとおり労働者のほうが持っている権利が強いと思うのです。その代わり経営者は高い給料を貰っているじゃないか!という声も聞こえてきそうですが、経営者は融資を受けるときに担保も入れるし個人保証もするし銀行融資が受けられなくなったら自腹を切って資金繰りをしなければいけないというリスクがあるんです。

 

「死ぬ気で働きます!」がたった2日で・・・

以前僕はこんな人を雇ったことがあります。

20代半ばくらいの事務員さんだったんですけど、面接の時に「死ぬ気で働きますので雇ってください!」って言ったんですよ。そんな威勢のいいことを言う人は今までにいなかったので採用したのです。

ところが勤務3日目の朝、体調が悪いので休ませてくれと。まぁ、そんなこともあるかななんて思った翌日も休み。。。そして週が明けた月曜日「私には合わなかったので辞めさせてください」と。

結構ショックでしたよ。僕に落ち度は無かったのか?そんなに悪い会社なのかって・・・。もちろん土下座も罵声も浴びせてませんよ。

驚いたのはその翌日。その子から僕の携帯に直接電話がかかってきて「3日間働いた分のお金はいつ振り込まれますか!?」って。開いた口が塞がらなかったですよ。もちろん払うつもりでしたよ。でも20日締めの月末払いというルールがあるからね。それにしても期日が来ても振込されてなくて連絡してくるならともかく辞めた翌日ですからね、キレそうになったけどグッとこらえました(-"-)

このエピソードと今回の騒動が僕の中で重なるところがあると思うんです。

演劇も公演が終わってやっと売り上げになるんであって稽古の段階で辞められたらそこまでかかった費用は丸々損です。今回の僕の事務員の件も2日分は何の役にも立っていません。むしろ仕事を教えるために他の社員が自分の仕事をしないで指導に時間を割くわけですから2重の損なのです。

 

労使ともに気持ち良く働ける環境づくりを

今回は演劇界という特殊な世界でしたが鈴木さん側にも問題があったのだと思います。僕の事務員さんの件も辞めたいと思ったのは事実ですので僕にも何らかの問題があったのだと思います。(いまだに辞めた理由はわかりませんが)お互い気持ちの良い職場環境や日ごろから不満などを聞き取れる人間環境を意識する必要があるんだなぁと思いました。ただ、今回の件を見て改めて経営側の方が圧倒的に弱者なんだと思い知らされました(。-_-。)